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ほげほげ あそ

マイナーな阿蘇の山

大峰火山(おおみねかざん)

Posted on 2024-12-062024-12-25 By asohack

大峰火山(おおみねかざん)


熊本県内でも知名度は低めな「マイナー火山」のひとつですが、この大峰火山がなければ、現在の阿蘇くまもと空港周辺の地形は大きく異なっていたはずです。


概要と形成史

標高は約409メートル。大峰火山は約9万年前に噴火し、周囲に溶岩を流し出しました。その溶岩流が広がって、熊本空港が立地する高台(溶岩台地)を形成したと考えられています。

この地形は、巨大な阿蘇カルデラ噴火に比べれば規模は小さいものの、明らかに阿蘇火山群の一部として位置づけられます。現在、空港を見下ろす台地は「ただの高台」ではなく、かつての火山活動のなごり。その意味で、阿蘇くまもと空港の名称が阿蘇を冠しているのは、単なるブランド戦略ではなく、地質学的な由来があるのです。


布田川断層と熊本地震との関係

大峰火山のそばには、南北に走る布田川断層が存在します。この断層は、2016年の熊本地震の引き金の一つとなった活断層です。熊本地震後の精密調査によって、布田川断層は俵山や北向山を抜け、阿蘇市方面まで連続していることが判明しました。

この事実は、火山地形と断層構造が複雑に絡み合い、時には驚くべき影響を及ぼすことを示しています。地震は、地質構造を「再発見」させる契機になることもあるのです。


立野ダムと地質的課題

布田川断層の延長先には立野ダムが建設中です。地質構造が十分に理解されないまま大規模インフラを進行させることへの懸念や批判が根強くあります。
「調査する側」と「施工する側」が同じ組織であるという構造も、慎重な地質学的・環境学的検討を困難にする要因のひとつです。

ダム建設は単なる公共事業ではなく、地下水や活断層、古い火山噴出物の影響など、地球科学全般を考慮すべき問題。布田川断層の存在は、自然環境への配慮なく進められる開発計画が、後々どんな問題を引き起こすかを考える手がかりとなるでしょう。


まとめ

大峰火山は、巨大カルデラの陰に隠れがちな小規模火山ですが、その噴出した溶岩は熊本空港を載せる台地となり、布田川断層との組み合わせで熊本地震を理解するうえでも重要な位置を占めます。

このマイナー火山は、過去9万年前の噴火で生み出した地形が、現代の社会的・経済的インフラを支え、さらには未来への警告(活断層や地震への備え)を秘めています。大峰火山を知ることは、阿蘇火山体系を構成する無数の地質的パーツを理解することにつながり、その背後に流れる悠久の地球史と、人類がその上で営む暮らしとの密接なつながりを再認識させてくれるのです。

補足

大峰火山と熊本地震の関連性について

「大峰火山(おおみねかざん)」は約9万年前に活動したと考えられる単成火山です。この火山は、阿蘇火山群から派生した小規模な噴火活動によって形成され、現在の熊本空港が立地する台地を生み出しました。

一方、2016年に発生した熊本地震は、布田川・日奈久断層帯の活動によるテクトニックな地震であり、火山活動ではなく、地下の断層運動が直接的な原因とされています。

以下に科学的な観点から両者の関連性について整理します。


活動時期とメカニズムの違い

大峰火山:

  • 噴火時期:約9万年前
  • 性格:単成火山(一度の噴火で活動をほぼ終えるタイプ)
  • 噴火後、継続的なマグマ供給や火山性ガスの放出は確認されていない

熊本地震(2016年):

  • 発生機構:活断層(布田川・日奈久断層帯)のずれ
  • 発生原因:プレート運動などによる地殻応力場の変化・蓄積
  • 直接的な火山活動による誘発の痕跡は認められていない

地質学的観点

大峰火山は、過去の火山活動で形成された溶岩台地を残しています。一方、熊本地震は、地殻変動による断層の活動が直接原因であり、その発生までの力学的プロセスは、過去9万年ほど再噴火を起こしていない大峰火山の存在とは独立に進行したと考えられます。

単成火山は基本的に「一回限り」の噴火で活動を終えるため、長期的なマグマ供給系によって地殻応力を変化させることはほとんどありません。
したがって、2016年の熊本地震が大峰火山の活動や存在によって誘発・促進されたとする科学的根拠は今のところありません。


断層延長の理解と地震後の知見

熊本地震後の調査で、布田川断層は俵山や北向山を抜けて阿蘇地域に連続する可能性が指摘されました。これらの調査結果は、断層帯や地殻構造理解の深化につながりましたが、同時に火山活動との直接的因果関係を示すわけではありません。

地震は数万年から数十万年前の火山活動の存在を直接反映するよりも、むしろ現行の応力場、地下構造、プレート運動などのテクトニックな要因に左右されます。


結論

  • 大峰火山は約9万年前に活動を終えた単成火山であり、現代の地震発生を左右するほどの継続的なマグマシステムは有していないと考えられます。
  • 2016年の熊本地震は、活断層のずれによる典型的なテクトニック地震であり、大峰火山によって引き起こされたわけではありません。
  • よって、科学的な根拠に基づいて現時点で言えることは、「大峰火山と熊本地震との間に直接的な因果関係はない」ということです。

こうした点を踏まえると、大峰火山は地域の地質史を語る重要な一章であるものの、その過去の活動が現代の地震活動を誘発する要因とは考えにくいといえるでしょう。

大峰火山, 未分類

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